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SPCと会社法 - 有限会社SPCが設立できなくなるって本当!?

有限会社SPCが設立できなくなる!?

「会社」はいろいろな目的で設立されます。事業を運営するために会社を設立する場合がまず思いつくと思いますが、不動産の証券化など特定の分野では、プロジェクトを円滑に遂行するために便宜的に設立され、運営される会社もあるのです。

この会社のことを「SPC」(特別目的会社の英語訳”special purpose company”の3単語の頭文字をとって名づけられています)。

ちょっと耳慣れない人もいると思いますが、ここでは「会社法施行とSPC」についてご紹介しましょう。

5月1日から施行された会社法により従来SPCとして利用されていた有限会社が設立できなくなります。これにより、最低資本金規制が撤廃され、簡易な機関設計が可能(取締役1名会社の設立可能)となった株式会社が、SPCとして利用されることが考えられます。

しかし、株式会社をSPCとして利用するには、下記の通りいくつかの問題点があげられます。
  1. 決算公告をおこなう義務がある。

  2. 担保権の実行が制限される会社更生法の適用を回避できない。

  3. 負債200億円超で「大会社」の区分になる。
    大会社になると、
    (1) 非公開会社(*1)の場合、監査役及び会計監査人を設置する必要が生じ、
    (2) 公開会社(*1)の場合は取締役会、監査役会(又は三委員会)、及び会計監査人を設置する必要が生じる。
    (*1) 非公開会社とは、従来の株式譲渡制限会社のことをいいます。これに対して、公開会社とは株式譲渡制限をいっさい設けていない会社のことをいいます。
そこで、合同会社(LLC)の利用を検討する価値があります。

LLCは、下記の性質を有しているので、SPCとしての利用に適していると考えられます。
  1. 法人格を有する。

  2. 出資者(社員)全員が有限責任である。

  3. 社員一人で設立可能。

  4. 設立・運営コストが従来の有限会社なみに低廉。

  5. 機関設計が簡易(総会・取締役・監査役不要)。

  6. 決算公告が不要。

  7. 社債を発行することができる。

  8. 柔軟な損益分配可能。
但し、構成員課税の点については認められていないので、この点につきましては匿名組合を用いるなどのスキームを検討する余地があります。
法人税基本通達14−1−3では、匿名組合員の利益等の帰属時期と匿名組合の営業者である法人において、組合員に分配した利益を法人税の所得計算上損金の額に算入すべきことを定めています。
同通達はLLCが営業者である場合も適用されると解されますが、具体的には顧問税理士・会計士等へご相談・ご確認ください。

合同会社(LLC)の設立

LLCの設立方法の特徴を下記に示します。

  • 有限責任事業組合(LLP)が少なくても2名以上組合員(出資者)が必要なことに対して、LLCは、1名の社員(出資者)がいれば設立できます。社員は個人・法人を問いません。

  • 社員は、最初に定款を作成し、これに署名または記名押印をします(株式会社の設立と違い公証人の認証が不要です。)。

  • 社員が1名であればその者が当然に業務を執行する社員(以下「業務執行社員」という)及び会社を代表する社員(以下「代表社員」という)になります。

  • 社員が2名以上いるときは原則として各自が業務執行社員となり、かつ、代表社員となりますが、定款等にて複数名中特定の者を業務執行社員とすることや代表社員とすることができます。

  • なお、社員が法人の場合は、職務執行者として自然人(法人でなく生身の人)を決める必要があります。

  • LLCは、実際に設立登記を行うことにより設立(成立)しますが、社員は、設立登記をする時までに、その出資の履行(金銭全額の払込み、または金銭以外の財産全部の給付)を行う必要があります。

  • 登記の添付書類は、原則として「定款」及び「出資の履行を証する書面」で足りますが、登記事項のうち定款にて定めていない事項がある場合や社員が法人の場合には、それらの決定または資格を証する他の書面が必要になってきます。
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