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株式会社とLLC(合同会社)の比較・活用法

このコーナーは、平成18年5月1日に施行された会社法について、平易な言葉で分かりやすく説明するものです。

毎回テーマを決め、これから起業を考えている方および現在会社を経営している方にも役立つ情報を提供していきたいと考えています。

第九回である今回は、前回の告知通り、「株式会社とLLC(合同会社)の比較・活用法」です。

1. LLC(合同会社)とは

合同会社(以下「LLC」といいます。)は、会社法の施行によって新たに創設された会社スタイルです。

定款認証代が不要であるなど、株式会社よりも設立費用が安く(設立費用の詳細については、第2回をご参照ください。)、かつ出資比率と異なる利益配当や組織運営が簡便に行えるメリットがあります。

さらには、従来の合名会社や合資会社と違い、出資者個人の財産にまで、会社の負債の責任が及びません(株式会社と同様に出資額の限度で責任を負う有限責任。)。

株式会社と大きく違うのは、実質的にも形式的にも所有と経営が一致していることでしょう。

2. LLCはどんな時に使える?

LLCが創設された当初、最先端技術開発のためのジョイント・ベンチャー型や大学と企業が合同で研究開発するための産学連携型、さらには専門家集団型など、大企業同士の規模の大きな話や一部の人だけが利用する制度だと予想されていました。

さらには、LLCはLLPと違い、法人であるため、法人税が課税されるので、日本では利用価値が薄いのではと言われていました。

新聞等でも取り上げられるのは、全日本空輸と英国系のホテルグループの提携時に子会社としてLLCを設立するなど、規模が大きな話ばかりなので、中小企業の社長やこれから起業する方にとっては、自分には関係ない制度と思っておられる方も多いと思います。

しかし、本当に、LLCはそのような場合にしか利用価値がないのでしょうか。私はそうは思いません。私見ながら、以下の場合にはLLCを選択してもいいと考えます。

3. 1人会社といえばLLC

前述したとおり、LLCは取締役などの業務執行機関を置く必要がないので、オーナー=社長という図式が、株式会社よりも顕著です。

さらには、株式会社と違い、出資者であるオーナーが登記簿上公示されるので、外部にも責任の所在が明確です(株式会社では株主は公示されません。)。

今でも「株式会社」というブランド力があるのは否めませんが、株式会社が資本金1円でも設立できることになったので、これからは玉石混交でしょう。

したがって、外見よりも中身が重視される時代が来るのはそう遠くないはずです。

他方で、設立コストだけでなく、決算公告義務や総会運営の必要性がない、役員の任期もないなど、運営・管理コスト面でもメリットがあります。

4. 個人間の事業連携としてLLC

会社同士ではなく、個人事業同士の連携としてもLLCは利用可能です。

LLCは、社員となるために金銭等財産の出資を要しますが、経営に関する発言権(議決権)は、出資比率が多い人も少ない人も平等とすることができます。

したがって、お金はないが経営能力やビジネスプランがある人とお金はあるけど具体的なビジネスプランが無い人が同等の立場で、会社経営をスタートさせることができます。

さらには、利益配当についても、出資比率に応じた配当とする必要もありません。

これにより、能力があるがお金が無い人でも、パートナーを見つけることにより、高いモチベーションで会社経営をすることが可能になります。

5. まとめ

前述のとおり、必ずしも大企業でなくても、LLCを活用するメリットはあります。

さらには、既存の株式会社をLLCに組織変更することも可能です。

経営承継には、株式会社よりもLLCの方が簡便に行える場合もありますので、LLCへの変更を考えてもいい企業もあるでしょう。

設立費用が安くなるので、司法書士報酬をカットするためにご自分で株式会社設立手続をすることを考えている方も多いでしょう。

ですが、司法書士に相談し、LLCを設立したほうが、結果として費用も安くすみ、かつその後の会社経営フォローもしてくれるので、安心という場合も多いです。

是非ともこれから起業を考えている人は選択肢の一つにLLCを入れてみてください。

次回は、「株式会社とLLP(有限責任事業組合)の比較・活用法」を予定しています。

「株式会社とLLPの比較」を読む
大越一毅 司法書士 寄稿担当:大越 一毅 司法書士
所属:司法書士大越一毅事務所
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