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やさしい会社法入門
東京都中央区銀座6-2-1
司法書士大越一毅事務所
大越一毅司法書士 大越一毅司法書士

目次
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総数引受契約方式


第16回である今回は、前回の告知通り、「募集株式発行の方法〜会社法下での新制度!総数引受契約方式〜」です。

1. 会社法下での募集株式発行の方法

特定の第三者に株式を割り当てる(以下「第三者割当」という。)場合の募集株式 発行の手続スケジュールは、一般的に次のとおりとなります。

a)非公開会社かつ取締役会設置会社の場合
  1. 株主総会の特別決議による募集事項決定(会社法199条)
    *募集事項決定の一部を取締役会に委任することも可能です(会社法200条)。
  2. 株式申込予定者に対し募集事項等の通知(会社法203条1項)
  3. 株式申込者による株式申込証の交付(会社法203条2項)
  4. 取締役会決議による株式割当者決定(会社法204条1項、2項)
  5. 株式割当者に対し、株式割当の旨通知(会社法204条3項)
    *払込期日の前日までに通知する必要があります。
  6. 出資金の払込
  7. 登記申請

b)公開会社の場合
  1. 取締役会決議による募集事項決定(会社法199条、同法201条)
  2. 株主全員に対する募集事項の通知又は公告(会社法201条3項、4項)
    *払込期日の2週間前までに通知又は公告する必要があります。
  3. 株式申込予定者に対し募集事項等の通知(会社法203条1項)
  4. 株式申込者による株式申込証の交付(会社法203条2項)
  5. 株式割当者決定(会社法204条1項)
    *譲渡制限付株式を交付する場合には、取締役会決議で決定する必要があります(会社法204条2項)。
  6. 株式割当者に対し、株式割当の旨通知(会社法204条3項)
    *払込期日の前日までに通知する必要があります。
  7. 出資金の払込
  8. 登記申請

2. 総数引受契約方式の利用

しかし、第三者割当の場合、会社が株主総会を行う前に、既に引受先が決まっていることが多いです。
特に、非公開会社では、私の経験上そのようなケースがほとんどです。
既に引受先が決まっており、かつ出資金の払込が確実な場合には、総数引受契約を締結することにより、上記スケジュール中、非公開会社では2〜5が、公開会社では3〜6の手続を省略することが可能です(会社法205条)。
なお、総数引受契約とは、引受先と会社との間で、今回発行する株式の全部を引き受ける契約です。
これにより、スケジュールを短縮し、かつ形式的で些末な書類を複数作成・送付等をする必要がなくなります。
総数引受契約に最低限定める必要がある事項もそれほど多くありません。
具体的には次のとおりです。

<総数引受契約に定めるべき事項>
  1. 引受先が、会社の発行する株式を引き受ける旨
  2. 割当する株式数及び株式の内容
  3. 1株の払込金額
  4. 払込期日及び払込を会社の定める金融機関にする旨(現金の場合)
  5. 会社と引受先双方の記名・捺印

上記事項の他にも一般的な投資契約書に盛り込まれる事項(例えば、「株式買取請求」「会社設立登記していること等一定の事項が真実であることを確認する表明保証」に関する事項です。)を適宜入れた契約書でも構いませんし、登記添付書類となること鑑み、上記事項だけを記載した契約書を作成することもできます。
また、引受先は1人(1社)である必要はなく、複数人でも手続可能です(複数人の場合は、それぞれの引受株式数の合計が、今回発行する株式数と一致する必要があります。)。

3. まとめ

総数引受契約方式によれば、株主が一人又は役員のみというように株主総会を開催するのがいつでも可能な会社の場合、明日にでも増資をすることが可能です。
しかし、手続が簡便になるとはいえ、短時間に手続を行うことは慣れていないと難しいでしょうから、増資を検討されている会社は司法書士等専門家にご相談されることをお勧めします。

次回は、「株式譲渡・名義書換の手続〜株券発行会社と株券不発行会社の違い〜」を予定しています。

このコンテンツは寄稿担当司法書士の責任のもと作成されたものです。司法書士ドットコムは内容の正確性、真実性等について責任を負いませんのでご了承下さい。



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